鉄男
今や有名なカルト作家・塚本晋也が作ったサイバー・ホラー。
僕はこういうモロに「一人で作りました」的な映画が大好きです。
作家性が感じられるし、一人でも映画が作れるということで色々と教えられることが多いからである。
BRUTUS誌のインタビューで、塚本晋也は「正しい人が出てくるとすごく反感を覚える」と語っていたが、確かに本作には正しい奴は一人といない。
デビッド・リンチの「イレイザーヘッド」にも似た異常な映画である。
タイトルからひかれる。
「鉄男」。
「てつおとこ」じゃなくて、「てつお」というところが巧い。
「鉄に浸食されていく男の話」という一言で作品の内容をすべて説明しているし、見る前から面白そうである。
ただし、そこ以外何も描いてないので、とくにストーリーはないのだが、それでも映像の迫力に最後まで見せられてしまう。
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パラダイム
ジョン・カーペンター流の吸血鬼映画というかゾンビ映画。
主演は牧師役にドナルド・プレゼンス、科学者役にヴィクター・ウォンという泣く子も黙る強烈なカップリング。
前半はうるさいBGMに乗せて、超常現象について科学的な見地から描いているが、後半からは科学の及ばないオカルトチックなストーリーへと展開していく。
悪魔の液体が水鉄砲のごとく飛んできて、それを飲んでしまった者は悪魔の下僕となってしまう。
悪魔の下僕に殺された者、下僕の口から飛び出す液体を浴びた者も悪魔になる。
こんな調子で町の外のみんなは根こそぎ悪魔と化し、世界は悪魔に支配されていく。
取り残されたのは建物に立てこもった数名だけ。
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アクエリアス
低予算のホラー映画は、製作者が自腹を切って撮影するようなものが少なくなく、そうなるとどうしても陳腐で見え透いた映画ばかりが出来てしまう嫌いがある。
舞台俳優・舞台演出家がステージの上で次々と殺されていく「アクエリアス」は、自腹を切ったところでは他のホラー映画と共通するが、監督がイタリアの鬼才ダリオ・アルジェントの愛弟子ミケーレ・ソアビとあって、実にひねりのきいた、まともな作品になっています。
「B級ホラー映画は怖くない」のジンクスを覆す、本気で怖い一本といってよい。
密室、暗闇、見えざる敵、血、女の悲鳴というホラーには欠かせないモチーフがそのまま活かされ、あくまで古典的な手法で怖がらせているところにも共感が得られるが、音楽には工夫も見られ、ソアビの野心をくみとることができます。
イタリア映画は元来どれも音楽がいいが、「アクエリアス」ではビートのきいたダンス・ミュージックを使用しており、アルジェント譲りの異様な恐怖心をかきたてている。
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宇宙戦争
96年は宇宙人ブームだった。
「インデペンデンス・デイ」と「マーズ・アタック」が発表され、地球が宇宙人に侵略されるという単純明快なテーマが受けました。
この2作には「宇宙戦争」という元ネタがある。
38年にオーソン・ウェルズが「火星人襲来」というラジオドラマを放送したことがありました。
その放送を聞いた市民が、本当に火星人に侵略されたと勘違いし、アメリカ中がパニックになったという。
その有名なドラマを映像化したものがこの「宇宙戦争」である。
火星が地球に大接近し、円盤が次々と地球に侵略を開始する。
円盤にはどんな攻撃をしても歯が立たず、町は廃墟と化し、地球全体がパニックとなる。
手も足もでない無敵の宇宙船は「インデペンデンス・デイ」に受け継がれ、レーザー攻撃を浴びると溶け落ちる様は「マーズ・アタック」に受け継がれている。
今見ていると、古くさくて陳腐なものだが、ひねりがない分、かえって新鮮に鑑賞できるだろう。
宇宙人VS地球人、ただこれだけを描いているだけで、サブストーリーは何もない。
でもこれが本気で怖い。
シンプルなストーリー一本の厚みだけでこれほど自信たっぷりに描いて見せられたのも、骨子そのものがユニークだったからであるからだ。
宇宙人と地球人の争いというテーマは50年代の流行でもあり、観客の興味は強かった。
テーマ自体がそれだけでも目新しく、原作者H・G・ウェルズならではの、いかにも本物らしいでたらめな科学的仮説の妙味を活かすには、下手な小細工は無用だった。
ゆえに単純明快な本作はストーリーSFの起源といえる傑作になった。
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