3月 24, 2008

時をかける少女

これは大林映画というべきか、角川映画というべきか。
尾道が舞台だから大林映画になるのだろうが、角川春樹もこれにそうとう思い入れがあったはず。
とにかく、80年代の流行のひとつだったのは間違いない。

今見てみると、古くさいわけではないが、もろに時代を感じさせる映画になっている。
というか、大林映画がそもそも時代を感じさせるべき映画としてもとから作っていたのかもしれない。
僕は大林世代じゃないのでそこがわからないのが残念だが。

「青春デンデケデケデケ」を見たときも思ったが、大林監督は古き良き時代のノスタルジイを映像に残すことにかけては日本一だと思う。
相手役の男の子2人はいかにも大林映画らしい普通の顔。
女の子が赤いカーディガンに下駄なんて普通ありえないけど、そういう和の雰囲気が好きですね。

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3月 20, 2008

プレデター2

エイリアンVSプレデター」なる企画が成立してから、なにかと「エイリアン」シリーズと比較されることが多くなった「プレデター」だが、2作目が1作目よりも評価された「エイリアン」と比べると、「プレデター」の2作目は、失敗作といわれがちだ。
スター俳優が出ていないし、ストーリーも今一つで、どうしてもB級臭さは拭えない。

よく見直してみると、実は驚くほど未来を予見した内容になっている。
つまり、「エイリアン」と「プレデター」がひとつになることは計画的だったことがわかってしまう。

キャスティングがくせ者だ。
まだまだ無名だったダニー・グローバーは今ではいい役者になった。
他に「エイリアン2」のあのビル・パクストンが出ている点も見逃せない。
あえて「エイリアン2」を意識して彼が選ばれたのではないかと邪推したくなる。

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3月 15, 2008

リベリオン

色々な映画をパクった低予算映画といわれているけど、これが予想に反して面白い。
キャストもマニアックだし、僕はこういう未来社会の映画をこよなく愛する男なので、かなりワクワクしながら見させてもらった。
僕と同じベクトルを持つ人なら、ぜひだまされたと思って見て欲しい。決して損はないと思います。

これを見て、間違いなく思い出されるのは「華氏451」である。
「華氏451」が文字を読むことを規制された未来社会を描いた作品なら、「リベリオン」は感情を持つことを規制された未来社会を描いた作品ということになることになる。

第三次世界大戦終戦後の未来、社会の安全のために、人間が感情を持つことを許されなくなる。
この社会の人間たちは、喜ぶこと、怒ること、欲することなく、独裁者のいうままに生活していることになる。
無論、小説や絵画や音楽など芸術といわれるものは一切禁止になっている。
主人公の職業はクラリックと呼ばれるもので、感情を持った人間を焼き殺すのが仕事である。

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3月 14, 2008

鉄男

今や有名なカルト作家・塚本晋也が作ったサイバー・ホラー。
僕はこういうモロに「一人で作りました」的な映画が大好きです。
作家性が感じられるし、一人でも映画が作れるということで色々と教えられることが多いからである。

BRUTUS誌のインタビューで、塚本晋也は「正しい人が出てくるとすごく反感を覚える」と語っていたが、確かに本作には正しい奴は一人といない。
デビッド・リンチの「イレイザーヘッド」にも似た異常な映画である。

タイトルからひかれる。
「鉄男」。
「てつおとこ」じゃなくて、「てつお」というところが巧い。
「鉄に浸食されていく男の話」という一言で作品の内容をすべて説明しているし、見る前から面白そうである。
ただし、そこ以外何も描いてないので、とくにストーリーはないのだが、それでも映像の迫力に最後まで見せられてしまう。

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3月 12, 2008

パラダイム

ジョン・カーペンター流の吸血鬼映画というかゾンビ映画。

主演は牧師役にドナルド・プレゼンス、科学者役にヴィクター・ウォンという泣く子も黙る強烈なカップリング。
前半はうるさいBGMに乗せて、超常現象について科学的な見地から描いているが、後半からは科学の及ばないオカルトチックなストーリーへと展開していく。
悪魔の液体が水鉄砲のごとく飛んできて、それを飲んでしまった者は悪魔の下僕となってしまう。
悪魔の下僕に殺された者、下僕の口から飛び出す液体を浴びた者も悪魔になる。
こんな調子で町の外のみんなは根こそぎ悪魔と化し、世界は悪魔に支配されていく。
取り残されたのは建物に立てこもった数名だけ。

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3月 5, 2008

アクエリアス

低予算のホラー映画は、製作者が自腹を切って撮影するようなものが少なくなく、そうなるとどうしても陳腐で見え透いた映画ばかりが出来てしまう嫌いがある。

舞台俳優・舞台演出家がステージの上で次々と殺されていく「アクエリアス」は、自腹を切ったところでは他のホラー映画と共通するが、監督がイタリアの鬼才ダリオ・アルジェントの愛弟子ミケーレ・ソアビとあって、実にひねりのきいた、まともな作品になっています。
「B級ホラー映画は怖くない」のジンクスを覆す、本気で怖い一本といってよい。
密室、暗闇、見えざる敵、血、女の悲鳴というホラーには欠かせないモチーフがそのまま活かされ、あくまで古典的な手法で怖がらせているところにも共感が得られるが、音楽には工夫も見られ、ソアビの野心をくみとることができます。

イタリア映画は元来どれも音楽がいいが、「アクエリアス」ではビートのきいたダンス・ミュージックを使用しており、アルジェント譲りの異様な恐怖心をかきたてている。

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3月 1, 2008

宇宙戦争

96年は宇宙人ブームだった。
「インデペンデンス・デイ」と「マーズ・アタック」が発表され、地球が宇宙人に侵略されるという単純明快なテーマが受けました。
この2作には「宇宙戦争」という元ネタがある。

38年にオーソン・ウェルズが「火星人襲来」というラジオドラマを放送したことがありました。
その放送を聞いた市民が、本当に火星人に侵略されたと勘違いし、アメリカ中がパニックになったという。
その有名なドラマを映像化したものがこの「宇宙戦争」である。

火星が地球に大接近し、円盤が次々と地球に侵略を開始する。
円盤にはどんな攻撃をしても歯が立たず、町は廃墟と化し、地球全体がパニックとなる。
手も足もでない無敵の宇宙船は「インデペンデンス・デイ」に受け継がれ、レーザー攻撃を浴びると溶け落ちる様は「マーズ・アタック」に受け継がれている。

今見ていると、古くさくて陳腐なものだが、ひねりがない分、かえって新鮮に鑑賞できるだろう。
宇宙人VS地球人、ただこれだけを描いているだけで、サブストーリーは何もない。
でもこれが本気で怖い。
シンプルなストーリー一本の厚みだけでこれほど自信たっぷりに描いて見せられたのも、骨子そのものがユニークだったからであるからだ。
宇宙人と地球人の争いというテーマは50年代の流行でもあり、観客の興味は強かった。
テーマ自体がそれだけでも目新しく、原作者H・G・ウェルズならではの、いかにも本物らしいでたらめな科学的仮説の妙味を活かすには、下手な小細工は無用だった。
ゆえに単純明快な本作はストーリーSFの起源といえる傑作になった。

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